オメガが制作した「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」は、2019年5月、冒険家で「シーマスター」の愛好家としても知られるヴィクター・ヴェスコヴォ氏と共に深海探査艇「リミティング・ファクター」によって太平洋・マリアナ海溝の最深部、チャレンジャー海淵の海底に到達した。その深さは世界記録となる、10,928メートルである。
この挑戦のパートナーとして過酷な水圧でも完璧な精度を見せたオメガによる3本の「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」は、2本は潜水艇のロボットアームに、もう1本は海底で記録収集を行うランダーに装着された。
深海潜水後、すべての「ウルトラディープ」がMETASの定めた厳格な試験に合格した。
潜水艇の覗き窓にインスピレーションを得た円錐形のデザイン採用の風防
深海では時計もストラップも膨大な掃流力に曝されることが想定されるため、チタン製ケースと完全に一体化した「ウルトラディープ」のラグを開いた状態にすることで、極限の深度でも素材の限界を超えないようにしている。このラグはその特徴的な外観により、“マンタ”ラグと呼ばれる。
「DSVリミティング・ファクター」の船体に使用されている素材のグレード5チタンは(DNV-GL認定)、「ウルトラディープ」にも採用されている。ベゼルやケースの本体、ケースバック、リュウズはすべて、チタンで潜水艇を制作した際の廃材を再利用だ。
サファイアをケースにしっかりと、しかし柔軟にはめ込むため、オメガが長年にわたってウォッチの素材として使用しているリキッドメタル®が採用されている。この特許出願中の革新的な高温接合技術を採用することで、ポリマーシールを使用しないだけでなく、サファイアの厚みを低減することが可能となった。
莫大な水圧にも耐えられるように設計されたオメガの「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ プロフェッショナル」は、深海潜水のためのテクノロジーをすべて備えていながら、厚さ28mm未満という驚異的な薄さと軽さを実現している。また、ケースバックの中心には、「ファイブ・ディープス探査」で海底マッピングのために使用されたマルチビームソナーテクノロジーを想起させる同心円の内側に「ファイブ・ディープス」のロゴがあしらい、さらに、モデルやリファレンス番号、DNV-GL認定、試験された深度15,000m、素材などの関連情報もすべて、レーザーで刻印されている。
今回オメガは、将来的には一般に普及するであろう技術を用いて、極めて特殊な任務にも耐えうる時計を制作することを目標に掲げたそう。いずれこのテクノロジーをまとった時計が一般販売されるようになり、直に見られる時が来るのを楽しみにしたい。
オメガウォッチ公式サイト ストーリー及び、オメガワールドのページから、挑戦の記録やウルトラディープのモデルの詳細な情報にアクセスできます。
https://www.omegawatches.jp/ja/stories/as-deep-as-it-gets
https://www.omegawatches.jp/ja/planet-omega/ocean/worldsdeepestdive